Table of Contents
📖 完訳マニュアル群
🌐 1. 欧州Web実践版(12章)
📚 2. 公式PDF完全翻訳版
ISPConfig 3.1 完訳マニュアル 📖
このドキュメントは、ISPConfig 3.1 オフィシャルマニュアルの全容を日本語に翻訳し、実務および保存用に再構成したものです。
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1.1 コマンド (Commands)
php -q install.php
1.2 ファイルの内容 (Contents Of Files)
127.0.0.1 localhost.localdomain localhost
# Auto-generated hostname.
1.3 項目名
http://
第2章 ISPConfig ユーザー
2.1 概要
ISPConfigは、完全にカスタマイズ可能な3つのユーザーレベルを提供しています。
2.1.1 admin(管理者)
最高権限を持つデフォルトユーザーです。システム全体の管理権限を持ちます。
2.1.2 Resellers(リセラー)
管理者の許可に基づき、自分自身のクライアント(顧客)を作成できます。
2.1.3 Clients(クライアント)
自分自身のウェブサイトやメールアカウントを作成・管理できます。
3 クライアント (Clients)
ISPConfigのクライアントモジュールでは、ホスティングサービスを利用するクライアントおよびリセラーを管理します。
3.1 クライアントの追加 (Add Client)
3.1.1 連絡先情報 (Address)
クライアントの基本情報およびログイン資格情報を設定します。
- 会社名 (Company Name): クライアントが法人の場合に入力します。
- 担当者名 (Contact Name): クライアントの氏名を入力します。
- 顧客番号 (Customer No.): 任意の番号。空欄の場合はシステムが自動的に割り振ります。
- ユーザー名 (Username): クライアントがコントロールパネルにログインするためのID。
- パスワード (Password): ログインパスワード。
- 言語 (Language): 管理画面のデフォルト言語。
- 国 (Country): クライアントの所在国。
3.1.2 制限 (Limits)
クライアントに割り当てるリソースの最大値を定義します。
- ウェブサーバー (Web Servers): 利用可能なサーバーを選択します。
- ウェブドメインの上限数 (Max. number of web domains): 作成可能なドメインの総数。
- ウェブクォータ (Web Quota): 合計ディスク容量(MB単位)。
- トラフィッククォータ (Traffic Quota): 月間の転送量上限(MB)。
- CGI / SSI / Perl / Ruby / Python: 各スクリプト言語の利用許可。
- PHPオプション (PHP Options): 許可するPHPモードを選択。
- SSHオプション (SSH Options): None, chrooted, Full から選択。
- MySQLデータベース数: 作成可能なデータベースの最大数。
3.2 リセラー (Resellers)
リセラーは独自のクライアントを作成・管理できる権限を持つユーザーです。管理者がリセラーに割り当てた制限の範囲内で、配下のクライアントへリソースを分配します。
3.3 クライアントテンプレート (Client Templates)
共通の制限事項(Limits)をテンプレートとして保存し、適用できます。
3.4 運用コマンド
設定の反映には以下のバックエンドプロセスが関与します。
# 設定反映の強制実行
/usr/local/ispconfig/server/server.sh
4 メール (Email)
この章では、ISPConfig 3 を使用したメールサーバーの管理について解説します。メールドメインの作成から、個々のメールボックス、スパムフィルタ、転送設定、およびメーリングリストの構築までを網羅します。
4.1 メールドメイン (Email Domain)
メールアドレスを作成する前に、必ずメールドメインを登録する必要があります。
- サーバー (Server): メールサービスを稼働させるサーバーを選択します。
- ドメイン (Domain): 例:
example.com - スパムフィルタポリシー (Spamfilter Policy): ドメイン全体のデフォルトとなるフィルタ強度を選択します。
- 有効 (Active): チェックを入れることでメールサービスが有効になります。
4.2 メールボックス (Email Mailbox)
個々のユーザー用メールアカウントの設定です。
- 名前 (Name): ユーザーの表示名。
- メールアドレス (Email): メールアカウントのユーザー名部分。
- パスワード (Password): IMAP/POP3/SMTP認証に使用するパスワード。
- クォータ (Quota): メールボックスの容量制限(MB)。0は無制限。
- コピーを送信 (Send copy to): 受信メールのコピーを別の指定アドレスに転送します。
- スパムフィルタ (Spamfilter): このユーザー固有のスパム判定ポリシー。
- 受信を有効にする (Enable receiving): チェックを外すと、このアカウントはメールを受信できなくなります。
- SMTP (送信) を無効にする (Disable SMTP (Send)): チェックを入れると、このユーザーはメールを送信できなくなります。
4.3 メールエイリアス (Email Alias)
既存のメールアドレスに対する別名(エイリアス)を作成します。
例: info@example.com へのメールを user1@example.com で受信する場合。
4.4 メール転送 (Email Forwarding)
受信したメールを外部または内部の別のアドレスへ転送します。メールボックスを持たず、転送のみを行う設定も可能です。
4.5 キャッチオール (Email Catch-all)
ドメイン宛の「存在しないメールアドレス」へ届いたメールを、一括して特定のアドレスで受信する設定です。
4.6 スパムフィルタ (Spamfilter)
4.6.1 ユーザー / ドメイン (Users / Domains)
スパムフィルタを適用する対象を定義します。
4.6.2 ホワイトリスト / ブラックリスト (Whitelist / Blacklist)
送信元アドレスやドメインに基づいて、フィルタを通さずに「許可」または「拒否」する設定です。
4.6.3 ポリシー (Policy)
スコアに基づいた「タグ付け」「隔離」「拒否」の閾値を定義します。
4.7 Fetchmail
外部のメールサーバー(プロバイダ等)からメールを定期的に取得(POP3/IMAP)し、ISPConfig上のメールボックスへ配信する機能です。
4.8 メーリングリスト (Mailing Lists)
Mailmanを利用したメーリングリストの構築を行います。作成後、Mailmanの管理画面へのリンクが提供されます。
4.9 XMPP (Jabber)
インスタントメッセージングプロトコル XMPP のサーバー設定およびユーザー管理を行います。
??? 管理者用コマンド
メールキューの確認や、サービスの状態監視に使用します。
# postfix のメールキューを確認
mailq
# 特定のメールボックスのディレクトリ構造と権限を確認
# (例: /var/vmail/example.com/user1/)
ls -R /var/vmail/[DOMAIN]/[USER]/
# Rspamd (スパムフィルタ) の動作確認
rspamadm configtest
systemctl status rspamd
5 サイト (Sites)
この章では、ウェブサイトのホスティング環境を構築するための各種設定について解説します。
5.1 ウェブサイト (Web Sites)
「サイト」メニューのメイン機能であり、個別のホスティング環境を定義します。
5.1.1 サイト (Domain) タブ
- ドメイン (Domain): ウェブサイトのメインドメイン(例: example.com)。
- ウェブクォータ (Web Quota): 使用可能なディスク容量(MB)。
- トラフィッククォータ (Traffic Quota): 月間の転送量上限(MB)。
- CGI / SSI / Perl / Python / Ruby: 利用を許可するスクリプト言語。
- PHP: 利用するPHPモード(FPM, Fast-CGI等)と、PHPのバージョンを選択。
5.1.2 リダイレクト (Redirect) タブ
ドメインへのアクセスを別のURLへ転送する設定です。
- リダイレクトタイプ: No redirect, R=301,L (恒久的転送) など。
- リダイレクトパス: 転送先のURLを指定。
5.1.3 SSL タブ
HTTPS接続を有効にするための設定です。 - SSL状態: チェックを入れて有効化。 - SSLアクション: 「証明書の作成」「証明書の更新」などを選択して保存します。 - Let's Encrypt: チェックを入れるだけで無料のSSL証明書が自動取得されます。
5.2 ウェブドメイン (Web Domains)
5.2.1 サブドメイン (Subdomains)
blog.example.com のようなサブドメインを作成し、特定のディレクトリや外部URLへ割り当てます。
5.2.2 エイリアスドメイン (Aliasdomains)
example.net を example.com と同じコンテンツとして表示させる場合に使用します。
5.3 シェルユーザー (Shell Users)
SSH経由でサーバーに接続するためのユーザーを作成します。
- chrootオプション: Jailkit を選択することで、ユーザーを自身のホームディレクトリ内に隔離し、安全性を高めます。
5.4 FTPユーザー (FTP-Users)
ファイルをアップロードするためのアカウントです。特定のディレクトリ(web, private等)へのアクセス制限が可能です。
5.5 データベース (Databases)
5.5.1 データベースユーザー (Database Users)
MySQL/MariaDBに接続するためのユーザーを作成します。
5.5.2 データベース (Databases)
ウェブサイトに関連付けるデータベースを作成します。 - リモートアクセス: 外部サーバーからの接続を許可する場合に設定します(セキュリティに注意してください)。
5.6 Web統計 (Web Statistics)
アクセス解析ツール(AWStats または Webalizer)の設定です。 - 統計用パスワード: 解析画面を表示するための保護パスワードを設定します。
5.7 APS (Application Packager Standard)
WordPressやDrupalなどのウェブアプリケーションを、管理パネルから直接インストールできる機能です。
??? 管理者用コマンド
サイトのディレクトリ構造やデータベースの整合性を確認するためのコマンドです。
# ウェブサイトのルートディレクトリを確認
ls -l /var/www/clients/client[ID]/web[ID]/
# php-fpm の設定ファイル(プール設定)を確認
# (例: /etc/php/8.x/fpm/pool.d/web[ID].conf)
ls /etc/php/*/fpm/pool.d/web*.conf
# MySQL データベースのサイズを確認
du -sh /var/lib/mysql/[DATABASE_NAME]
# Let's Encrypt のログを確認(取得失敗時などの調査)
tail -f /var/log/letsencrypt/letsencrypt.log
6 DNS
ISPConfig 3 の DNS モジュールでは、BIND または PowerDNS を使用してドメインのネームサーバー設定を管理します。
6.1 DNS ゾーン (DNS Zones)
DNS ゾーンは、特定のドメイン名に関するすべての DNS レコードの集合体です。
- サーバー (Server): DNS サービスを実行するサーバーを選択します。
- クライアント (Client): このゾーンを所有するクライアントを選択します。
- ドメイン (Domain): 管理するドメイン名(例: example.com)。
- IP アドレス (IP Address): ゾーンのデフォルトとなる IP アドレス。
- NS 1 / NS 2: プライマリおよびセカンダリネームサーバーのホスト名。
- メールアドレス (Email): ゾーン管理者の連絡先メールアドレス。
6.2 DNS レコード (DNS Records)
ゾーン内には、具体的な通信先を定義する各種レコードを作成します。
- A レコード: ホスト名を IPv4 アドレスに紐付けます。
- AAAA レコード: ホスト名を IPv6 アドレスに紐付けます。
- CNAME レコード: ホスト名の別名(エイリアス)を作成します。
- MX レコード: そのドメインのメール配送先サーバーを指定します。
- TXT レコード: 任意のテキスト情報を定義します(SPF 設定などに使用)。
- DKIM レコード: メールの改ざん検知用の公開鍵を設定します。
- SRV レコード: 特定のサービス(SIP, XMPP 等)の場所を定義します。
- NS レコード: サブドメインの権限委譲先を指定します。
6.3 DNS ウィザード / テンプレート (DNS Wizard / Templates)
複雑な DNS 設定を、あらかじめ用意されたテンプレートに基づいて数ステップで作成できる機能です。 管理者は「DNS テンプレート」メニューから、標準的なレコード構成(A, MX, NS, SPF 等)を雛形として定義しておくことができます。
6.4 セカンダリ DNS (Secondary DNS / Slaves)
他の DNS サーバー(マスター)からゾーン情報を同期して保持するセカンダリサーバーの設定です。
- マスター IP (Master IP): ゾーン情報の取得元となるマスターサーバーの IP アドレスを指定します。
??? 管理者用コマンド
DNS の設定反映状況や、正しく名前解決ができているかを確認するためのコマンドです。
# BIND の設定ファイルに構文エラーがないか確認
named-checkconf /etc/bind/named.conf
# ローカルサーバーに対して DNS クエリを投げて確認 (dig コマンド)
dig @localhost example.com
# ISPConfig が生成したゾーンファイルの場所を確認
# (例: /etc/bind/pri.example.com)
ls -l /etc/bind/pri.*
# DNS サーバー (BIND) の再起動ログを確認
systemctl status bind9
journalctl -u bind9 -n 50
7 モニタ (Monitor)
「モニタ」モジュールでは、サーバーの稼働状態、リソースの使用状況、および各種システムログをリアルタイムで監視できます。トラブルの早期発見やパフォーマンスの最適化に不可欠なセクションです。
7.1 システムの状態 (System State)
7.1.1 概要を表示 (Show Overview)
管理下のすべてのサーバーの状態を一覧表示します。各サービス(HTTP, FTP, DNS, MySQL等)が正常に稼働しているか、警告やエラーが出ていないかを直感的に把握できます。
7.2 サーバーの状態 (Server State)
7.2.1 CPU情報 (Show CPU Info)
CPUのモデル名、コア数、キャッシュサイズなどの詳細情報を表示します。
7.2.2 メモリ情報 (Show Memory Info)
物理メモリ(RAM)およびスワップ領域の使用量、空き容量を確認します。
7.2.3 サーバー負荷 (Show Server Load)
過去1分、5分、15分間の平均負荷(Load Average)をグラフまたは数値で確認します。
7.2.4 ディスク使用量 (Show Disk Usage)
各パーティションの合計サイズ、使用量、使用率(%)を表示します。
7.2.5 データベースサイズ (Show Database Size)
各データベースがディスク上で占めている容量を確認します。
7.3 ログファイル (Log Files)
ISPConfig は主要なサービスのログを収集し、管理画面から閲覧できるようにします。
- メールログ (Show Mail Log): メールの送受信に関する詳細なログ。
- システムログ (Show System Log): サーバー全体の一般的なシステムログ。
- CLAMAV ログ: ウイルススキャンエンジンの動作ログ。
- ISPConfig ログ: ISPConfig 本体のバックエンド処理(server.sh)の動作記録。
- RKHunter ログ: ルートキット検出ツールのスキャン結果。
7.4 ジョブキュー (Show Jobqueue)
ISPConfig の管理画面で行った変更が、バックエンドで処理されるのを待機している状態を確認します。通常、ここにあるジョブは1分以内に処理されます。ジョブが長時間残っている場合は、バックエンドプロセスに何らかの問題が発生している可能性があります。
7.5 システム情報 (System Information)
サーバーのOSバージョン、カーネル情報、ISPConfig のバージョン、および稼働時間(Uptime)を確認できます。
??? 管理者用コマンド
モニタ画面に表示される情報を、サーバーのコマンドラインから直接確認する方法です。
# CPU の負荷とプロセスの稼働状況を確認 (top または htop)
top
# ディスク使用量を人間が読みやすい形式で確認
df -h
# メールのリアルタイムログを監視
tail -f /var/log/mail.log
# ISPConfig のジョブキューをデータベースから直接確認
mysql -u root -p dbispconfig -e "SELECT count(*) FROM sys_datalog WHERE status = 'pending';"
# サーバーの稼働時間と平均負荷を確認
uptime
8 ツール (Tools)
「ツール」モジュールでは、ユーザー個別の設定、セキュリティ管理、およびシステム間のデータ同期に関する機能を提供します。
8.1 ユーザー設定 (User Settings)
8.1.1 パスワードの変更 (Password and Language)
現在ログインしているユーザーのパスワードを変更します。また、コントロールパネルの表示言語(Language)やテーマ(Theme)を個別に設定することも可能です。日本語環境で使用する場合は、ここで「jp」を選択します。
8.2 インターフェース設定 (Interface)
管理画面の挙動をカスタマイズします。
- スタートページ (Startpage): ログイン直後に表示するモジュールを選択します。
- 確認ダイアログ (Show Confirmation): 削除操作などの際に確認メッセージを表示するかどうかを設定します。
8.3 リモートユーザー (Remote Users)
ISPConfig の Remote API を利用して、外部のアプリケーション(課金システムや独自のフロントエンドなど)からサーバーを操作するための専用ユーザーを作成します。
- ユーザー名 / パスワード: API 接続に使用する資格情報。
- リモートアクセス IP: 接続を許可する外部サーバーの IP アドレスを制限します(空欄はすべて許可)。
- リモート関数 (Remote Functions): このユーザーに許可する API 操作(クライアント追加、サイト作成、メール管理など)を個別に選択します。
8.4 同期ツール (Sync Tools)
マルチサーバー構成において、データベース上の設定と物理サーバー上の設定ファイルに不整合が生じた場合、強制的に同期(再生成)を行うツールです。通常、バックエンドプロセス(server.sh)が自動で行いますが、トラブル時の手動復旧に使用します。
- 同期対象: サービス(ウェブ、メール、DNS 等)を選択して実行します。
8.5 データベースのインポート (Import)
外部の ISPConfig サーバーや他のパネルからデータを移行する際、定義ファイルを読み込むために使用する高度なツールです。
??? 管理者用コマンド
リモート API のテストや、同期プロセスのデバッグに使用するコマンド例です。
# リモート API (REST/SOAP) のエンドポイントを確認
# (例: https://your-server:8080/remote/index.php)
ls -l /usr/local/ispconfig/interface/web/remote/index.php
# サーバー間の時刻同期状態を確認 (API 認証エラー防止のため重要)
timedatectl status
# ISPConfig の同期プロセスをバックグラウンドで強制実行
# (同期ツールでジョブを溜めた後に実行すると効果的です)
/usr/local/ispconfig/server/server.sh
# API ユーザーの権限をデータベースから直接確認
mysql -u root -p dbispconfig -e "SELECT remote_userid, remote_username FROM remote_user;"
9 システム (System)
「システム」モジュールでは、サーバーの基本構成、ネットワーク設定、セキュリティポリシー、およびソフトウェアの更新管理を行います。ここでの設定はサーバー全体の挙動に影響を与えます。
9.1 サーバー構成 (Server Config)
サーバーごとに、稼働させるサービスの詳細な挙動を定義します。
- ウェブ (Web): ドキュメントルートのパス、PHPの実行ユーザー、Apache/Nginxの構成設定。
- メール (Mail): メールの保存先ディレクトリ(Maildir)、フィルタリングエンジンの選択。
- DNS: BIND/PowerDNS のゾーンファイルのパスや、再起動用コマンド。
- Jailkit: SSH隔離環境(chroot)で使用するアプリケーションやパスの定義。
9.2 サーバーサービス (Server Services)
マルチサーバー構成において、特定のサーバーでどのサービス(Web, Mail, DNS, DB, VZ)を有効にするかを制御します。
9.3 ネットワーク (Network)
9.3.1 IP アドレス (IP Addresses)
サーバーのネットワークインターフェースに割り当てられた IP アドレスを登録します。登録された IP アドレスは、ウェブサイト作成時の選択肢として表示されます。
9.4 ファイアウォール (Firewall)
サーバーを外部の攻撃から守るためのパケットフィルタリング設定です(主に Bastille または UFW を使用)。
- TCP ポート: 開放する TCP ポート番号(例: 80, 443, 22, 25, 110, 143)。
- UDP ポート: 開放する UDP ポート番号(例: 53)。
9.5 ソフトウェアの更新 (Software Update)
ISPConfig の管理画面から、オペレーティングシステムのパッケージ更新状況を確認し、必要に応じてアップデートを実行できます。また、ISPConfig 本体のバージョンアップ手順についてもこのセクションで扱われます。
9.6 言語とテーマ (Language and Themes)
システム全体のデフォルトとなる表示言語や、コントロールパネルのデザイン(テーマ)を設定します。
9.7 リモート API (Remote API)
システムレベルでの API ユーザーの管理や、特定の関数に対する権限設定を、管理者権限で行います。
??? 管理者用コマンド
システム設定を物理サーバー側から確認・メンテナンスするためのコマンドです。
# ISPConfig 本体のアップデート実行(コマンドライン推奨)
ispconfig_update.sh
# ファイアウォールの状態確認 (UFW の場合)
ufw status verbose
# サーバーの IP アドレス設定を確認
ip addr show
# ISPConfig の設定ファイル (config.inc.php) の場所
# データベースの接続情報などが記述されています
ls -l /usr/local/ispconfig/interface/lib/config.inc.php
# システムが使用している PHP のバージョンを確認
php -v
10 ヘルプ (Help)
「ヘルプ」モジュールでは、ISPConfig 3 の利用に関するサポート情報、公式ドキュメントへのアクセス、およびシステム情報の確認を行うことができます。
10.1 サポート (Support)
10.1.1 サポートへの問い合わせ (Support Ticket)
管理者に対してサポートチケットを送信するための機能です。ユーザーが問題を報告したり、質問を送ったりする際に使用します。 ※管理者は「システム」モジュールの設定で、チケットの送信先などを定義できます。
10.2 ドキュメント (Documentation)
10.2.1 公式マニュアル (Official Manual)
ISPConfig の公式サイト(ispconfig.org)に掲載されている最新のドキュメントや、コミュニティによる wiki へのリンクが提供されます。
10.3 フォーラム (Forums)
公式のユーザーコミュニティ(HowtoForge 等)へのリンクです。世界中のユーザーとの情報交換や、過去のトラブル解決事例の検索が可能です。
10.4 システム情報 (System Information)
10.4.1 バージョン情報の確認 (Show Version)
現在インストールされている ISPConfig の正確なバージョン番号を確認できます。アップデートが必要かどうかを判断するための重要な情報です。
10.4.2 開発者への寄付 (Donate)
ISPConfig はオープンソースプロジェクトであり、継続的な開発を支えるための寄付を受け付けています。
??? 管理者用コマンド
ヘルプ画面で確認できる情報に関連する、サーバー側での操作例です。
# ISPConfig のバージョンをコマンドラインから確認
cat /usr/local/ispconfig/server/lib/config.inc.php | grep ISPC_APP_VERSION
# インストールされている PHP や各サービスのバージョンを一括確認
# (サポートチケットに添付する際に役立ちます)
php -v
apache2 -v
nginx -v
named -v
postfix -version
# システムの更新履歴を確認 (Debian/Ubuntu の場合)
cat /var/log/apt/history.log | tail -n 50
11 VServer (仮想サーバー)
「VServer」モジュールでは、OpenVZ などの仮想化技術を使用して、物理サーバー上に複数の仮想マシン(コンテナ)を作成・管理します。
11.1 仮想サーバーの管理 (VServer Management)
11.1.1 仮想サーバーの作成 (Visual Servers)
物理サーバーのリソースを切り分けて、新しい仮想マシンを構築します。 - サーバー (Server): 仮想化ホストとなるサーバーを選択。 - OS テンプレート (OSTemplate): 使用する OS イメージ(Debian, Ubuntu 等)。 - ホスト名 (Hostname): 仮想マシンの名前。 - IP アドレス (IP Address): 仮想マシンに割り当てる IP アドレス。 - リソース制限: CPU、メモリ、ディスク容量、バーストメモリ等の上限設定。
11.2 OS テンプレート (OS Templates)
仮想サーバーの雛形となる OS イメージの設定と管理を行います。
11.3 IP アドレスの管理 (IP Addresses)
仮想マシン専用に割り当て可能な IP アドレスのプールを定義します。
??? 管理者用コマンド
仮想化環境(OpenVZ)の状態を確認するための基本的なコマンドです。
# 稼働中の仮想マシン(コンテナ)一覧を表示
vzlist -a
# 特定の仮想マシンの詳細情報を表示
vzctl exec [VEID] uptime
# 仮想サーバーの起動・停止・再起動
vzctl start [VEID]
vzctl stop [VEID]
vzctl restart [VEID]
12 リモート API (Remote API)
ISPConfig 3 は、外部のアプリケーション(課金システム、独自のフロントエンド、自動化スクリプトなど)から操作を行うための強力な Remote API を備えています。
12.1 API の種類
ISPConfig は以下の 2 つのプロトコルをサポートしています。 - REST: JSON 形式を使用した現代的なインターフェース。 - SOAP: XML 形式を使用した従来のインターフェース。
12.2 エンドポイント (Endpoints)
標準的なインストール環境では、以下の URL が API の入り口となります。
- https://your-server:8080/remote/index.php (SOAP)
- https://your-server:8080/remote/json.php (REST)
12.3 認証プロセス
- login:
remote_userの資格情報を使用してsession_idを取得します。 - 関数呼び出し: 各種関数(
client_add,mail_user_add等)にsession_idを添えて実行します。 - logout: セッションを終了します。
12.4 主要な関数例
client_get: クライアント情報の取得。sites_web_domain_add: ウェブサイトの新規作成。mail_user_update: メールアカウントの設定変更。
??? 開発者用テストスクリプト (PHP)
API 接続をテストするための最小構成のサンプルです。
<?php
$username = 'api_user';
$password = 'api_password';
$soap_location = 'https://localhost:8080/remote/index.php';
$soap_uri = 'https://localhost:8080/remote/';
$client = new SoapClient(null, array('location' => $soap_location, 'uri' => $soap_uri));
try {
$session_id = $client->login($username, $password);
echo "ログイン成功。セッションID: " . $session_id;
$client->logout($session_id);
} catch (SoapFault $e) {
echo "エラー: " . $e->getMessage();
}
?>
用語集 (Glossary)
ISPConfig 3 の設定および管理で頻繁に使用される専門用語の解説です。
ア行
- エイリアス (Alias): 既存のメールアドレスやドメインに対して設定する「別名」のこと。
- ウェブクォータ (Web Quota): ウェブサイトの所有者が使用できるディスク容量の制限値。
カ行
- クライアント (Client): ISPConfig 上でウェブサイトやメールなどのリソースを所有するユーザー主体。
- キャッチオール (Catch-all): ドメイン宛の存在しないメールアドレスへのメールを、特定のボックスで一括受信する機能。
サ行
- サイト (Sites): ウェブサイト、データベース、FTPなどのホスティング設定を総称するモジュール名。
- シェルユーザー (Shell Users): SSH を利用してサーバーに接続できる権限を持つユーザー。
- ジョブキュー (Jobqueue): 管理画面での変更を物理サーバーへ反映させるための待機リスト。
- ジェイルキット (Jailkit): シェルユーザーを特定のディレクトリ内に隔離(chroot)し、サーバー全体の安全性を高めるツール。
タ行
- トラフィッククォータ (Traffic Quota): 月間に許容されるデータ転送量の上限。
- ドメイン (Domain): インターネット上の住所にあたる名前(例: example.com)。
ナ行
- ネームサーバー (Name Server / NS): ドメイン名と IP アドレスを紐付ける役割を持つサーバー。
ハ行
- ファイアウォール (Firewall): 特定のネットワークポートの通信を許可または遮断するセキュリティ壁。
- リセラー (Resellers): 自身の配下に複数のクライアントを作成・管理できる「再販業者」権限。
- リモート API (Remote API): 外部システムから ISPConfig を操作するためのプログラミングインターフェース。
英数字
- APS (Application Packager Standard): WordPress 等のアプリを簡単に自動インストールできる規格。
- DKIM (DomainKeys Identified Mail): メールの送信元が正しいことを証明する電子署名技術。
- PHP-FPM: PHP を高速に動作させるための仕組み(プロセス管理マネージャー)。
- Rspamd: ISPConfig で標準的に使用される高度なスパムフィルタリングエンジン。
- SPF (Sender Policy Framework): 特定のサーバー以外からのメール送信を「なりすまし」として検知する仕組み。
- SSL (Secure Sockets Layer): 通信を暗号化(HTTPS)するための技術。現在は TLS が主流ですが、慣習的に SSL と呼ばれます。
付録:高度な設定とカスタマイズ
本セクションでは、標準的な GUI 操作を超えた、システムレベルでのカスタマイズ方法について解説します。
A. 設定テンプレートのカスタマイズ (Custom Templates)
ISPConfig は、Apache や Nginx の設定ファイルを生成する際、/usr/local/ispconfig/server/conf/ にあるテンプレート(.master ファイル)を使用します。
カスタマイズの手順
標準のテンプレートを直接編集してはいけません。アップデート時に上書きされるためです。
1. テンプレートを conf-custom ディレクトリにコピーします。
cp /usr/local/ispconfig/server/conf/vhost.conf.master /usr/local/ispconfig/server/conf-custom/
2. コピーしたファイルを編集します。
3. 次回のサイト更新時から、カスタムテンプレートが優先的に使用されます。
B. マルチサーバーとミラーリング (Multi-Server & Mirroring)
ISPConfig は、複数のサーバーを一元管理する「マルチサーバー構成」をサポートしています。
- マスターサーバー: データベース(dbispconfig)とインターフェースを保持します。
- スレーブサーバー: マスターの指示に従い、各サービス(Web, Mail等)を稼働させます。
- ミラーリング: 2台のサーバーを同期させ、高可用性(HA)構成を構築します。
C. PHP バージョンの追加
「システム」>「追加の PHP バージョン」で、複数の PHP バージョンを登録できます。各サイトごとに異なる PHP バージョンを選択可能にするための設定です。
付録:技術リファレンス ??
管理者向けのポート一覧および主要なファイルパスのリファレンスです。
A. ネットワークポート一覧
ISPConfig 3 で使用される標準的なポート番号です。ファイアウォールの設定にご活用ください。
サービス名 ポート番号 プロトコル 用途
----------------------------------------------------------------------
HTTP 80 TCP ウェブサイト(非暗号化)
HTTPS 443 TCP ウェブサイト(SSL/TLS)
ISPConfig UI 8080 TCP 管理パネル
Apps (Webmail等) 8081 TCP ウェブメール、phpMyAdmin
SSH 22 TCP サーバー管理、SFTP
FTP 21 TCP ファイル転送(コマンド)
FTP (Passive) 40110-40210 TCP ファイル転送(データ)
DNS 53 UDP/TCP 名前解決
SMTP 25 TCP メール送信(サーバー間)
SMTPS (SSL) 465 TCP メール送信(クライアント)
Submission 587 TCP メール送信(クライアント)
POP3 110 TCP メール受信
POP3S (SSL) 995 TCP メール受信
IMAP 143 TCP メール受信
IMAPS (SSL) 993 TCP メール受信
MySQL 3306 TCP データベース接続
B. 主要なファイルパス
項目 パス
----------------------------------------------------------------------
ISPConfig インターフェース /usr/local/ispconfig/interface/
ISPConfig バックエンド /usr/local/ispconfig/server/
ウェブサイトのルート /var/www/
メールボックスの保存先 /var/vmail/
BIND ゾーンファイル /etc/bind/
Apache 設定ファイル /etc/apache2/
Nginx 設定ファイル /etc/nginx/
Postfix 設定ファイル /etc/postfix/
Rspamd 設定ディレクトリ /etc/rspamd/
付録:データベース構造リファレンス
ISPConfig の全設定データは MySQL (MariaDB) の dbispconfig データベースに集約されています。
主要なテーブル一覧
テーブル名 内容
----------------------------------------------------------------------
client クライアント(顧客)の基本情報。
web_domain ウェブサイト、サブドメイン、エイリアスの設定。
mail_user メールボックスの資格情報とクォータ。
mail_domain メールドメインの設定。
dns_soa DNS ゾーンの基本情報。
dns_rr DNS の各種リソースレコード。
sys_datalog 設定変更の履歴と反映待ちジョブ(重要)。
sys_user コントロールパネルにログイン可能なユーザー。
反映待ちジョブの仕組み
管理画面での変更は sys_datalog に蓄積され、スレーブサーバーがこれを読み取って物理的な設定ファイルへ反映させます。
付録:移行ガイド (Migration)
旧サーバーから新サーバー、または他パネルから ISPConfig への移行に関する指針です。
A. ISPConfig 移行ツールの利用
公式の「ISPConfig Migration Tool」を使用することで、ウェブ、メール、データベースを自動的に移行できます(有償ライセンス)。
B. 手動移行の手順
手動で移行を行う場合、以下の順序を推奨します。
1. 新サーバーにクライアントとドメインを作成。
2. データベースのダンプ(mysqldump)とインポート。
3. ファイル(/var/www/)の同期(rsync)。
4. メールの同期(imapsync 等)。
5. DNS レコードの切り替え。
付録:トラブルシューティングと FAQ
管理・運用中によく遭遇する問題とその解決策です。
A. 管理画面が白くなる (White Screen)
PHP のメモリエラーや構文エラーが原因です。
- 対処: /var/log/apache2/error.log または /var/log/ispconfig/httpd.log を確認してください。
B. 設定が反映されない
ジョブキューが詰まっているか、バックエンドプロセスが停止しています。
- 対処: サーバー側で /usr/local/ispconfig/server/server.sh を手動実行し、エラー出力を確認してください。
C. Let's Encrypt の取得失敗
ドメインが正しくサーバーを向いていないか、ポート80が閉じられています。
- 対処: /var/log/letsencrypt/letsencrypt.log を確認し、DNS 設定を見直してください。
D. メールの送受信ができない
Postfix または Dovecot の設定不備、あるいはディスク容量不足が考えられます。
- 対処: df -h で容量を確認し、tail -f /var/log/mail.log でリアルタイムログを監視してください。
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